「あれ、自分、頑張りすぎかも?」心が壊れる前に気づきたい5つのSOSサイン

HSP
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私たちの心は、巨大なダムのようなものかもしれません。 日々のストレスやプレッシャーという大量の水を、必死にせき止めているダムです。

もし、このダムが完全に壊れてしまえば、元に戻すのは容易ではありませんそれは、うつ病のような、深刻な状態です。
ダムが一度決壊すれば、流れ込む水を薬で止めながら、気の遠くなるような時間をかけて、少しずつ壁を立て直すしかありません。
それは、とても長く苦しい闘いです。

しかし、ダムが決壊する前には、必ず予兆があります。 壁に無数の「ヒビ」が入り、そこから水が漏れ出す…。

この「ヒビが入っているけれど、まだ決壊はしていない状態」こそが、まさに適応障害だと、私は自身の経験から考えています。
まだ適応障害の段階であるなら、個人差はありますがストレスの原因から数週間から数か月も離れればそれだけで回復することもあります。

私の兄はうつ病と診断されたことがありますが、20年経っても薬と症状に向き合っています

ダムが決壊してしまう前に、その「ヒビ」に気づくこと。 そして、手遅れになる前に、水圧を抜き、壁を補修すること。

この記事は、そのための「気づき」を生むための一本です。

私自身が経験した、ダムの壁に現れる危険な「ヒビ」…つまり、心が壊れる寸前に、心と体が発していた「5つのSOSサイン」を具体的にお伝えします。

あなたの心のダムは、まだ大丈夫ですか?

1. 体からのサイン:「うっかり」では済まされないミスや事故が増える

最近、普段なら絶対にしないような「うっかりミス」が増えていませんか?

大事な書類の誤字脱字。メールの宛先間違い。探し物ばかりしていて、いつも時間に追われている…。

「しっかりしなきゃ」と自分に言い聞かせても、なぜか同じようなミスを繰り返してしまう。それは、あなたが怠けているからでも、注意力が散漫になったからでもありません。

私自身が経験した最も危険なサインが、車の運転でした。 幸いにも大きな怪我はありませんでしたが、通勤中と業務中に軽い接触事故を、1週間のうちに2度も起こしてしまったのです。
「自分は一体どうしてしまったんだろう」と、血の気が引く思いでした。

これは、脳の「ワーキングメモリ」が、過剰なストレスや情報によって常にパンク寸前の状態になっているために起こる、心からのSOSです。例えるなら、たくさんのアプリを同時に立ち上げすぎて、動きがカクカクになっているスマートフォンのようなものです。

もしあなたが、このようなミスや事故の増加に心当たりがあるなら、それは決して「うっかり」や「気のせい」ではありません。あなたの心と体が必死に送っている、「もうこれ以上、抱えきれないよ」という重要なSOSなのです。

2. 感情からのサイン:些細なことでイライラし、涙もろくなる

心の余裕がなくなると、感情のダムが決壊しやすくなります。いつもなら笑って流せる同僚の冗談や愚痴に、カチンときてしまう。
急に怒ったかと思えば、深く落ち込んだりする。そして、ふとした瞬間に、理由もなく涙がこみ上げてくる。
これは、あなたの性格が変わったわけではなく、抑え込んでいたストレスが、感情という形で漏れ出している状態です。

3. 思考からのサイン:頭の中が「仕事」や「不安」に占領される

スイッチを切りたいのに、切れない。家に帰っても、お風呂に入っていても、常に仕事のことが頭から離れない
誰かの一言を、何度も何度も頭の中で反芻(はんすう)してしまう。「もっと頑張らないと」「自分が悪いんだ」と、常に自分を責める思考に陥る。
これは、心に休息が足りていない証拠。脳が緊張状態から抜け出せなくなっているのです。

4. 見え方からのサイン:いつもの景色が「無機質」に見える

信じられないかもしれませんが、心の状態は、世界の「見え方」すら変えてしまいます
毎日通る通勤路の木々や空が、まるで色のない「無機質な景色」に見える。大好きだった食べ物が、なんだか美味しく感じられない。以前は楽しめていたものに全く興味が湧かなくなる。
これは、心が外部からの刺激をシャットダウンし、自分を守ろうとしているサインです。

5. 人との関わりからのサイン:「話すこと」自体が億劫になる

あれほど大切だった人との繋がりが、苦痛に感じ始めたら危険信号です。
友人や家族と話すことさえ、エネルギーを使う「仕事」のように感じてしまう。飲み会や集まりの誘いを、何かと理由をつけて断るようになった。一人でいる時間だけが、唯一「ほっとできる」と感じる。
心が、他者との関わりに使うエネルギーさえ残っていない状態です。

まとめ:そのサインは、あなたが「頑張ってきた証」です

もし、この5つのサインのうち、一つでも強く当てはまるものがあっても、どうか「自分が弱いからだ」なんて思わないでください。

そのサインは、あなたがこれまで、誰よりも真面目に、誠実に、自分の心と体を削って「頑張ってきた証」なのです。

そして、これらのサインの中でも、特に危険な兆候があります。 それは、「自分の頑張りを誰かに話そうとしたときに、涙が我慢できない状態」です。

もし、あなたが今その状態なら、それは既に心療内科などで適応障害と診断されるレベルに達している可能性が非常に高いです。あなたの心のダムに、もう無視できないほどの大きなヒビが入っている、という何よりの証拠です。

ダムが決壊し、すべてを失ってしまう前に。 どうか、「立ち止まって休む勇気」を持ってください。

まずは、今の自分の状態に気づいてあげること。 そして、そんな自分を「今日まで、本当によく頑張ったね」と、ほんの少しだけ認めてあげること。

すべては、そこから始まります。

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